高校の部活動の大会であるにかかわらず、ダンス部の大会は一種独特な雰囲気を醸し出す。ダンスという表現手段の特異性も加味され、また時代の潮流に大きく煽られる形でメディアに露出する度合いも大きい。

大会は民間の団体によって主催されており、他の高校生の部活とはまったく別の次元で大会に各高校の生徒たちが集まり、その運営がなされている。

舞台の派手な演出などがなされる場合もあり、多くのスポンサーが協賛する。商業主義的な側面も他の部活の大会に比べると大きい。大会を観覧するチケットは全国大会では高ければ4000円。完売したチケットはやがて高値で取引されるケースもある。

ダンス部においてそのダンスの技術指導ができる教員の数は限られるゆえ、その指導は外部コーチに委ねられているケースも多く見られるのもまた大きな特徴だ。

部活動のその中核となる実際のダンスを教え、指導するのは外部コーチに任される。ただそうそう頻繁にそのコーチが訪れるとは限らず、日々の活動は生徒たちに自主性によるところも大きい。

一条高校ダンス部もダンス部の卒業生である外部コーチを招聘して指導をお願いしているが、月に2回か3回程度の指導にとどまり、実際に練習メニューを考え、作品を作り、その技術向上に努める日々の活動は生徒の主体性によるものだ。

高校の運動部の大会は高等学校体育連盟が主催し、教育現場ですべて執り行われるのが通例であるが、ダンス部の大会だけそうではない。現場の教員が運営に携わることがないのが高校ダンス部の大会である。

創作ダンスの大会を除くと高校ダンス部の大会は10年ほど前まではほぼ存在しなかった。ダンス部は校内の行事で踊るか、街角で行なわれる小さなコンテストに参加するかぐらいだった。

ゆえに現在のように民間主催の大会であっても、参加できる大会が増えていることは大変よろこばしいことであり、目標とする永続的な高校ダンス部の大会を願う次第である。

ただその中で学校現場の実情が反映されないことがどうしても起きがちになる。高校の部活動の大会にふさわしくないことも起きる。そのたびに慎重に現場の声を届け続けてきた。これまで黙ってられないこともたびたびあった。

大会に参加させていただいているという弱い立場ではあるけれど、生徒の活動において不利益にならないように大会運営の改善を都度お願いしてきたと思う。

どうしても華やかになりがちな側面をもつダンス部の大会であるが、そして現場の教員ではない外部コーチが指導するケースが多いダンス部であるが、共通するのは規律ある部活運営であるように思える。

大会に集うダンス部はどの学校もその礼儀作法やマナーを大切にしている。ダンスの技術だけでなく、それよりもむしろ集団としての高まりや、周囲に対する感謝を忘れずそれを軸にした活動がなされているな、と感じることが多い。これはなにもダンス部に限ったことではないけれど、ダンス部も例外なくそうであるな、と。

強豪校であればあるほど、そこを外すことはなく、またそうでないと本当に人を惹きつけるダンスなど踊ることは出来ない。

その中でこの9月に北九州で開催されるチームダンス選手権は高等学校ダンス連盟が主催する大会であり、つまり、現場の教員がすべて運営する大会である。参加校も年々増えているし、参加する学校のダンスレベルの非常に高い、密度の濃い大会となっている。

審査員がどのような審査をおこなったのか、それをすべて公表している唯一の大会でもある。