大学生の頃、見た風景である。アメリカンフットボールの試合を観戦する。

わたしが通っていた大学はアメリカンフットボールの強豪校であり、何度も日本一に輝いていた。もちろんその指導者は尋常ならざる指導力を持つ。

そしてその第一線の指導から退いた後も当然のごとくある程度の影響力をもつことは想像できる。

かつて日本一に何度も導いた監督ではあるが今はその指導の任ではない。

しかし母校の試合に応援に訪れるその人。

自分でチケットを手に入れ、一般客と同じように長蛇の列に並び、会場に入る。そして普通に特別良い席でもない席に座り、試合を観戦する。

アメリカンフットボールは観戦する場所によって試合の展開がよく把握できて大いに試合を楽しめる席と、なかなか試合の展開がわかりづらい席がある。

その人物の功績からすると特等席で観戦することは簡単だろうけれどそんな振る舞いをすることはない。

だから気が付いた一般人は、一瞬だけ、あれっと思うけれど、しかしながらどんな試合でも同じように特にどうでもよいような席に普通に座っているので、周囲の人もその立ち居振る舞いをやがて理解する。

その佇まいをみて美しいなと思った。

大学生の頃、そんな大人をカッコイイなと思った。

その思いは今も変わらない。

一条高校ダンス部の公演、Nowhere LANDにどこかでチケット手に入れ、長い列にひとりで並んで、ひとりで観覧し、アンケートに後輩たちに対して熱いメッセージを残してくれた先輩がいた。

そういう先輩がいることは励みになるな。

一緒に踊ってくれる先輩ももちろんありがたいけれど、このように存在してくれている先輩もまた、我々に大きな勇気を与えてくれると

そんな風に思います。