レフェリーはBOXと言います。

ダウンを奪って、立ちあがって来た相手と再び戦い始めなければならない時、レフェリーは「ボックス」と言う。

BOXというのは箱のこと。

四角い箱の中でお前たちはまだ殴り合いを続けろ、と言う。

それがBoxingというもの。

できたらもう止めてくれないかな、と思いながらも、ファイトを続けねばならない。

そんな日々が今から30年以上前にあった。

5月のある晴れた日の午後に、桜ノ宮スケートリンクの2階の屋根裏のような、まったく陽の当たらないボクシング会場で試合は繰り広げられていた。

なんでボクシングなんてしていたんですか?

なんでやろな。

それでもボクシングを続ける若者はいまでも大勢いるし、熱狂するファンも多いな。

井上尚弥のパンチ力は尋常ではない。こんなボクサーは見たことない。ロドリゲスも優れたボクサーのはずなんだろうけれど、まるで初めてボクシングの試合を経験をしたかのような表情を浮かべていた。

こんなパンチはいままで食らったことは一度もない、これがBoxingというものなのか、と。これではとても闘う気にはなれません、という顔に見えた。

そんなこともあって、少しだけ昔の話をしました。

ダンサー教員は増えているけれども、ボクサー教員は増えることはないやろな。

それはそれで希少価値かも知れんな。